紀の川市W選師走決戦へ 市長は2氏一騎打ち
任期満了に伴う紀の川市長、市議選が28日、告示された。市長選は、新人で元市議の森田幾久候補(54)と、現職で5選を目指す中村愼司候補(79)=自民、公明、国民民主推薦=の無所属2人が立候補を届け出た。市議選(定数20)には21人(現職18、新人3)が立候補し、選挙戦へ突入した。投票日はいずれも12月5日で、即日開票される。11月27日現在の選挙人名簿登録者数は5万2085人。
市長選は2009年以来12年ぶりの選挙戦となった。4期16年にわたる中村市政の評価や少子高齢化に伴う人口減少対策、基幹産業である農業による活性化策などが争点となりそうだ。
森田候補は熊取バスの貴志川への延伸や遊休農地の活用、「待つ支所から動く支所へ」を掲げ、若者の定住支援、ITやクラウドファンディング活用など新時代を見据えた政策を訴える。
中村候補は紀の川インターチェンジと関空を結ぶ「関空京奈和道」の実現やコロナ・防災対策、子育てや教育など「誰もが元気で働くことができるまち」を公約に、これまでの成果を強調する。
この日、届け出を終えた両候補は支持者らを前に出陣式。
森田候補の陣営は同市嶋の事務所で、並松俊作選対本部長のあいさつに続き、友人を代表し山下久美子元岩出市議会議員が激励。森田候補が指導してきた少年野球チームの教え子が音頭を取り、「ガンバロー」三唱。選挙カーで市内全域を回り支持を訴えた。
中村候補の陣営は打田の事務所に県内外の首長や県内選出の国会議員らが応援に駆け付け、中村候補の5選に向けて士気を高めた。来賓には仁坂吉伸知事ら首長や二階俊博衆議院議員ら県選出の衆参議員、県議らが一堂に集まり「頑張ろう」と気勢を上げた。
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※上から下へ届け出順。【名鑑の見方】①主な経歴②最終学歴③住所
森田 幾久候補(54)
無新 ①元市議、建設会社員、少年野球指導者②東洋大学法学部③紀の川市長田中
変えなきゃ 変わらなきゃ
16年前は人口が7万3000人だった。粉河・那賀・桃山の旧町全域は過疎地域に指定された。これでいいんでしょうか。箱もの行政、バラマキ行政にストップをかけるために立候補した。若い人に選んでもらえるまちづくりをしないと、間違いなく破綻に向かう。農地を有効活用するため、農業公社を立ち上げたい。市の空いた建物を活用し起業する力になりたい。小中一貫校をつくり、子育て支援に力を入れる。熊取町までの幹線バスを充実させたい。公平・公正な紀の川市を私と一緒につくっていきましょう。「変えなきゃ変わらなきゃ」。どうか私に力をお貸しください。
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中村 愼司候補(79)
無現④ ①県道路協会長、元貴志川町長②向陽高校③紀の川市貴志川町西山
京奈和関空道の実現へ
安全安心、そして5町が合併してバランスが取れたまちづくりを進めてきた。京奈和自動車道から上之郷、関空へ行けるトンネルを造りたいと進めてきた。この道がつけば良い和歌山、良い紀の川市になる。16年の間に市民が1万人少なくなった。「行きたい」「住みたい」と言ってもらえる紀の川市をつくりたい。来年4月には必ず小中学校に行く子どもに給食費を無償化する。農地も大事に、企業も発展するように、働きに行きたくなるように。子どもや孫に、良いまちになったぞと喜んでもらえるようにみんなと一緒につくりたい。命懸けで頑張ります。勝たせてください。