一麦会が文科大臣表彰 障害者の生涯学習支援

表彰状を手に笑顔の皆さん

本年度の障害者の生涯学習支援活動に対する文部科学大臣表彰に、社会福祉法人一麦会(麦の郷、和歌山市岩橋)が選ばれた。同表彰は、障害者が生涯を通じて教育やスポーツ、文化などさまざまな機会に親しみ、豊かな人生を送れるよう、障害者の生涯学習支援活動を行い、他の模範と認められる個人や団体に対し、功労や功績をたたえるもの。本年度は、全国の53団体と5人の個人が選出された。

一麦会は2018年、文部科学省による障害者の生涯学習推進のための事業「障害者の多様な学習活動を総合的に支援するための実践研究」を受託したのを機に、「ゆめ・やりたいこと実現センター」を紀の川市粉河に設立。以降、定期的に集える「夕刻のたまり場」を中心に、年間約30ものさまざまな講座を開くなど、障害当事者が自ら夢ややりたいことを発信し、企画、運営することをサポートしている。

本年度からは「地域連携による障害者の生涯学習機会の拡大促進」事業となり、さらに地域連携を強化しながら障害者の生涯学習活動に取り組んでいる。これらの活動が評価され、県や同市の推薦を受けて、今回、県内で初めての表彰となった。

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、表彰状は事前に郵送。表彰式は7日オンラインで行われ、一麦会の田中秀樹副理事長をはじめ、同センターのコーディネーターを務める藤本綾子さんや尾方千春さん、連携協議会の委員、ボランティアら7人が、同市粉河の山﨑邸に集まり、画面越しに出席。

池田佳隆副大臣による「生涯学習社会や共生社会の環境整備に努めたい」とのあいさつや、「各地域で活躍するとともに、次世代の人材育成もしてもらいたい」との呼び掛けに耳を傾けた。

表彰を受けて尾方さんは、「驚きもあるが、私たちの努力だけではなく、地域の人たちの取り組みや当事者の方が喜んで参加し、楽しんで活動しているのが評価された」と喜び、「皆さんのおかげ」と感謝を伝えた。

同センターでは、「こんなことしたい!」という当事者のアイデアをみんなで実現していくことを大切にしているといい、同市の松下隆志さんは「やらなきゃではなく、やりたいなと思って自分で選べるのがいい」と笑顔で話した。

藤本さんは、「地域のたくさんの人に支えられてやってきて、ようやく形になってきたかなと感じる」と約3年間を振り返り、「生涯学習が根付いていくとうれしいし、各地にセンターのような環境が広がっていけば」と期待を込めた。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。