ふわニット制服人気 着心地良く、手入れ簡単

「ふわニット」のセーラー服、スカートと小島社長

「ごわごわして重い」「アイロンがけが大変」などの声が多い織物品の学生用制服の悩みを解決しようと、創業120年の老舗、㈱エイコーコジマ(和歌山市市小路)が開発したニット生地の春夏用セーラー服とスカートが好評を得ている。小島吉勝社長(41)は「ストレッチ性があり、着心地が良い。手入れも簡単」と品質に自信を示す。ニット製品を選ぶ同社ユーザーの率は上昇し、支持を広げている。

制服などの製造販売を手掛ける同社は、2019年に「ふわニットセーラー」、21年に「ふわニットスカート」を発売。特に学生用制服のニットスカートは、業界でも聞いたことがないという先進的な商品となっている。

従来の織物品のようにクリーニングやアイロンがけの必要がなく、ネットに入れて洗濯機で洗い、あとは干すだけと手入れは簡単。スカートの重さは約370㌘で従来品より100㌘ほど軽く、試着した生徒が「うわぁ、軽い」と感嘆の声を上げるほど。

価格は織物品に比べて少し割高だが、同社で制服を購入した生徒のうちセーラー服は96%、スカートは約半数がニットを選択する人気の高さで、保護者からも「家事の負担が減った」と喜びの声が寄せられている。

同社は10年以上前からニット制服の開発を構想。毎日着用する制服で一番の課題となる耐久性をクリアするため、セーラー服は開発に3年を要し、立ったり座ったりを繰り返すスカートはさらに試行錯誤を重ね、5年の月日をかけた。

和歌山県は、丸編ニット生地の生産量が全国1位で、約4割のシェアを誇る日本屈指のニットの総合生産地。スカートに使用するニット生地は、全国各地から取り寄せて比較、検討したが、「県産が一番良かった」と小島社長は話す。

耐久性のあるニット生地をより効果的に生かすため、縫製用の糸も部分によって使い分けるなど工夫した。生徒に1年間着用してもらい、洗濯も繰り返して耐久性を確認したが、それでも最後まで販売を迷ったという小島社長。決め手になったのは、親世代に当たる女性従業員らと生徒の声だった。

小島社長は「普段家事をしているみんなの『これはいいよ』という声が何よりの後押しとなった。実際に着る生徒と保護者はこれを選んでくれると思えた」と振り返る。

ニット制服は現在、和歌山市内の全中学校で採用されるようになり、同社は次の挑戦を続けている。ニット製の冬用セーラー服やブレザーの開発に取り組みながら、多様化する社会の中でジェンダーレスな制服の在り方も模索している。

小島社長は「ニットの制服は生徒や保護者の喜びにつながる。その良さをもっと広めて、より多くの人に制服の選択肢の一つに入れてもらえるようにしたい」と話している。

問い合わせは同社(℡073・452・4129)。

記事元:わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。