新古敏朗さんの経営本 『変態の20則』発刊

経営本を手に笑顔の新古さん

和歌山県の湯浅町湯浅のみそ・しょうゆ製造業「丸新本家」の5代目社長新古(しんこ)敏朗さん(52)のユニークな開発手法を初めてまとめたビジネス本『経営・人生を成功へと導く“変態”の20則』が発行された。新古さんは「最初から無理だと諦めず、楽しみながら究めていくことを信条に開発を進めたいきさつがよく分かる一冊」と話している。

本を手にすると、「変態」と書かれた題名にぎょっとするかもしれない。半年かけて取材した執筆者の嶋田淑之さんによれば、変態はこだわりを持って常識外れな方法で取り組む変革者を指す。これまでにさまざまな奇抜な発想を実践してきた新古さんへの「最高の褒め言葉」とも言える。

新古さんはしょうゆ発祥の地、湯浅町で高校まで過ごし、大阪市の化学専門学校に進学。約140年続く個人経営だった家業を継ぎ、みそ製造の他に先細りしていたしょうゆ製造事業を発展させた。

本は題名通り、新古さんの経営手法や理念を20則に分けて紹介。「常識を疑う」「絶え間なきイノベーション」「多様なコミュニティに所属する」といった経営のヒントとなるキーワードが並ぶ。カレーライスにかけるのはしょうゆか、ソースかの雑談をきっかけに誕生した「カレー専用醤油」。しょうゆとチョコレートを融合させた調味料「カカオ醤(ジャン)」など、自ら手掛ける実験に基づく化学的数値を大事に、発想力を駆使して新商品を生み出した姿が描かれている。新古さんの作る手作りのしょうゆにほれ、フランス料理に取り入れた外国人シェフとの交流なども掲載されている。

新古さんは「事業の多くは自分の力だけではなく、自然と集まってくる同じ変態たちの協力もあって成功した」と振り返る。新事業を立ち上げる際、「しんどい」よりも先に「面白い」と考える明るく粘り強い性格も成功の鍵になっており、「今後も世界を視野に変態を実践してきたい」と笑った。

定価1650円。県内をはじめ全国の書店で発売中。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。