回答に不満も IR計画案説明会始まる

田嶋理事(壇上中央)らに質問する説明会の参加者

県が和歌山マリーナシティ(和歌山市毛見)に誘致を進める「カジノを含む統合型リゾート(IR)」の区域整備計画案について、県民の意見を聞く説明会が2月28日に始まった。初回は、これまでも不透明さが指摘されてきた資金調達計画をはじめ、周辺の渋滞対策、土壌の液状化対策、ギャンブル依存症対策などを巡り県への質問が相次ぎ、質問者は県側の答えに「納得できない」「現実味がない」などと不満を漏らした。

最初の説明会が開かれた海南ノビノス(海南市日方)には市民ら約70人が出席。計画案の概要を説明する約30分の動画を上映した後、質疑応答が約1時間にわたり行われ、県の田嶋久嗣IR担当理事と担当の職員らが回答した。

初期投資の4700億円の調達については、約3割の1450億円を出資、約7割の3250億円を借り入れでまかなうとし、2月7日の県議会IR対策特別委員会が「不透明な部分が多く、納得できるものではない」と注文をつけた際と同様の説明だった。

マリーナシティに隣接する海南市の地元住民は、IRが開業すれば周辺の交通渋滞が日常化するとして、対策と地域振興策を要望。年間260億円と想定されている事業者から県への納付金について、IR立地市の和歌山市に25%が配分されるのに対し、「海南にお金が落ちないのは不満中の不満」と述べた。

県は交差点を改良することで現状以上の渋滞にはならないとの認識を示し、IR設置に伴い海南市に生じる負担の対策は、県が納付金を活用して行うとした。

この県の回答に対し参加した海南市議の一人は、市内の対策は市の責任で行うものだとし、「県がやるというのは、ばかにしている」と強く批判した。

県と同じくIR誘致を進める大阪市が土壌対策に約790億円の公費を投入することを受け、マリーナシティの土壌対策を不安視する質問に対し県は、募集の段階で事業者には県が費用負担をしないことを伝えており、調査や対策の必要が生じた場合は、事業者の責任で行うと回答した。

ギャンブル依存症対策についての質問には、カジノは世界的には珍しい施設ではなく、対策のノウハウが蓄積されており、県の独自対策も加えて、IR開業前よりも依存症を減らすことを目標にしていると説明した。

質問はIR誘致に批判的な出席者からが多かった一方、納付金はどれくらい教育の充実に使われるかを質問した高校生や、IR周辺にとどまらず、広域に地域振興をもたらすことが重要と指摘する参加者もいた。

説明会は1日には県内6振興局で開かれ、2日から6日にかけては立地市の和歌山市内のコミュニティセンターなど7会場で実施予定。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。