若手起業家育成 和歌山イノベーションベース

起業への思いを語る(左から)前田理事長、及川CEO、古澤社長、藤田社長

和歌山から多くの起業家を育てようと、一般社団法人和歌山イノベーションベース(WIB)が発足した。成長企業の創業者らと県内の起業家、学生らの交流の場をつくり、起業の知識やノウハウを伝える。和歌山市で16日に開かれた発足記念セミナーで、初代会長に就任した社会福祉法人檸檬(れもん)会理事長の前田効多郎さんは「10年で100人の起業家と上場経営者3人の創出を目指したい」と力強く意気込みを語った。

全国で少子高齢化が進み、大都市圏への若年層の人口流出、企業の経営者の高齢化や後継者不足などが社会問題となる中、和歌山でも事業成長が可能であることを若い世代に示そうと、県内を拠点とする企業の代表や県ゆかりの経営者が地元の金融や大学、メディアと連携して発足した。

WIBは、1987年にアメリカで設立され、年商1億円以上の若手起業家で構成される「起業家機構」(EO)と連携。日本にも支部があり、会員数は約800人。EOに所属する前田さんをはじめとする国内起業家の他、県内に拠点や会社を持つ起業家が、メンター(助言者)として学生も含めた若手起業家に新たな市場の開拓方法などさまざまな知識を伝える。イノベーションベース(IB)は、和歌山を含め全国21道府県で立ち上がっているという。

WIBには現在25人の起業家が登録し、今後は若手上場企業の創業者らを招いた勉強会やフォーラムの開催などを予定している。

この日の記念セミナーには約170人が参加。電子書籍取次大手の㈱メディアドゥホールディングス(東京)の藤田恭嗣社長が基調講演した。徳島イノベーションベース(TIB)の代表理事も務める藤田社長は、自身の起業当初の苦労などについて語り、「経営で的確な判断を下すには、知識や情報、経験、仲間が必要」と話した。

和歌山ゆかりの経営者ら4人による討論会もあり、㈱農業総合研究所の及川智正CEO、屋外照明を手掛ける㈱タカショーデジテックの古澤良祐社長らが経営の心構えについて語った。

及川CEOは、和歌山で農業分野の上場を実現できたことにふれ「アメリカでは大きな会社ほど地方に本社機能がある。和歌山でも実現可能だということを組織で情報を発信したい」と強調。

古澤社長は「日本でも有数の起業家を和歌山から輩出するために、協力を惜しまない」と語った。

参加した和歌山大学観光学部1年の出口莉子さん(19)は「WIBで自分を売り込んで、観光に携わりながら和歌山を盛り上げていきたい」と話した。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。