有田・下津みかんシステム 推進協議会設立

設立総会であいさつする森田会長(奥右)

日本農業遺産に認定されている和歌山県の海南市下津地域の「下津蔵出しみかんシステム」と有田地域の「みかん栽培の礎を築いた有田みかんシステム」の二つを一体とし、世界農業遺産の認定を得るため、両地域の市町や県、農協などによる「有田・下津地域世界農業遺産推進協議会」の設立総会が26日、有田川町の県果樹試験場で開かれた。2024年2月の認定を目指す。

農業遺産は、独自性のある伝統的農林水産業と、それに関わって育まれた文化や景観、生物多様性などが相互に関連して一体となった重要な地域を認定するもの。世界農業遺産は国連食糧農業機関(FAO)が認定し、国内に11地域ある。日本農業遺産は農林水産大臣が認定し、現在は22地域。

県内では、「みなべ・田辺の梅システム」が15年12月に世界農業遺産となり、日本農業遺産は、19年2月に「下津蔵出しみかんシステム」、21年2月に「有田みかんシステム」と「聖地高野山と有田川上流域を結ぶ持続的農林業システム」が認定されている。

県によると、二つのみかんシステムの世界認定を目指す中で、農水省の専門家会議から、隣接する有田・下津地域のシステムを融合して取り組むことが有効との助言を受け、今回の推進協発足につながった。

有田・下津地域は日本のミカン栽培発祥の地とされる。400年以上前から、農家の手で独自の技術による石積み階段園が傾斜地に築かれ、江戸時代には日本初の共同出荷組織「蜜柑方」を組織し、輸送・販売の体制を構築。日本で初めてミカン栽培を生計の手段に発展させることに成功した。

さらに、地勢・地質などの自然条件を生かし、多様な系統の導入、優良品種の発見を重ね、年内に出荷する「有田みかん」、甘みを増す貯蔵技術を用い年明けに流通させる「下津蔵出しみかん」のリレーによる長期出荷を実現し、日本一の生産量と生産額を誇る産地として現在まで継承されている。

推進協には、県と海南、有田、湯浅、広川、有田川の5市町、JAありだ、JAながみね、各市町の商工関係団体など26機関から委員が参加。設立総会では、会長にJAありだの森田耕司代表理事組合長、副会長にJAながみねの次本圭吾組合長理事と5市町長ら役員を選出し、申請書案などを承認した。

申請の名称は「有田・下津地域の石積み階段園みかんシステム」。世界認定の申請には農水省の承認が必要で、6月8日までに承認申請を行い、無事に審査を通過すれば来年1月ごろに承認が得られ、FAOの審査を経て、24年2月の認定を目指す。

森田会長は「ミカン栽培の歴史ある両地域が一つになり、世界農業遺産に認定していただき、未来に向かって誇りを持ってミカンを作っていけるようになることを願っている」と話している。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。