「人と人編む」複合施設 海南にオープン

自社ブランドの商品を手に笑顔の井戸端社長

和歌山県海南市下津町の5本指ソックスメーカー「KNITIDO(ニッティド)」がこのほど、JR加茂郷駅前にトレーラーハウス3台を使った複合施設「トレーラーガーデン」をオープン。同社の井戸端康宏社長(57)が〝人と人を編む〟をコンセプトに思いを詰め込んだトレーラーハウスは、自社ブランドの5本指ソックス専門店、カフェ、ピラティスなどができるスタジオからなり、地域の新たな交流拠点として多様な交わりを生み出している。

同社は1981年創業。70年にスペインのカルセン社が開発したとされる5本指ソックスに目をつけ、日本で初めて製造を始めた。「人の体に優しいソックスを」との思いで〝スペイン生まれ和歌山育ち〟の5本指ソックスの普及に力を注いできた。

2007年には、自社ブランドの確立を目指してドイツ・ベルリンに現地法人を立ち上げ、翌年には現地にアンテナショップをオープン。現地でも〝知る人ぞ知る店〟になった。

海外志向だった事業戦略はコロナ禍で大きく変化。市場にマスクがなくなった当初、同社の編み機で着け心地の良いオーガニックコットンのマスクを製作したところ、地域の人たちから予想以上の反響があった。

井戸端社長は「この時、初めて地域の人との接点ができた」と話し、これを機に「地元で人が集える場所をつくり、出会いによって新たなことが生まれる場になれば」と20年12月ごろから構想を練り始め、約1年半かけて完成した。

「5本指ソックスだけのブランドではなく、心と体の健康〝ウェルネス〟を実現できるブランドを」との思いが込められた同施設は木と緑があふれ、ウッドデッキはペットにも人にも心地良いスペース。地元の人たちが〝おめかしして出掛ける〟おしゃれスポットとしても話題になっている。

カフェでは本場ベルリンの味を再現したランチをはじめ、地元の旬の食材をふんだんに使い、栄養バランスにこだわった日替わりワンプレートランチや、地元のレモンを使ったレモネードなどをゆったりと味わえる。

スタジオではピラティス教室や巻き爪補正サロン、もみほぐしを定期的に開催。ソックス専門店では、同社独自のヨガ・ピラティス専用ソックスの他、欧州限定商品、同施設のオープンに合わせて立ち上げた新ブランド「トレーラーガーデン」の商品など、ここでしか買えない商品も並ぶ。

井戸端社長は「田舎の苦手な部分でもある多様性を受け入れるプラットフォームにしたい」と話し、「心身ともにリラックスできる開放的な空間に人が集い、またここから新たなものをつくっていければ」とトレーラーハウスにさらなる夢や願いを乗せていく。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。