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和歌山ニュース 和歌山市長選に2氏 市議補選は4氏立候補

和歌山市長選に2氏 市議補選は4氏立候補

公開日 2022.08.17

任期満了に伴う和歌山市長選が14日に告示された。届け出順に現職の尾花正啓候補(69)=自民、公明、立憲民主、国民民主推薦=、新人で前市議会議長の𠮷本昌純候補(65)の無所属2人の一騎打ちは中盤を迎え、猛暑の中、2期8年間の尾花市政の評価を問う舌戦を展開している。同時に実施の市議補選(欠員2)には新人4人が立候補している。

立候補の届け出は和歌山商工会議所で受け付け、各陣営は有権者への第一声を放った。

尾花候補の出陣式は屋形町の選挙事務所で行われ、推薦する4党の国会議員、地方議員らが多数出席し、次々と支援を訴えた。参院選中に安倍晋三元首相が銃撃で死亡した事件を受け、会場の演台には防弾スクリーンが設置され、警察官や警察犬が周囲を警戒するなど、ものものしい雰囲気だった。

一方、𠮷本候補はJR和歌山駅前で最初の訴えに臨んだ。政党の推薦を受けていないため、政治家の応援弁士はなく、支援する医師や弁護士、主婦の代表らがマイクを握った。IR(カジノを含む統合型リゾート)誘致に反対する内容が多く、IRの是非を問う住民投票条例案に反対意見を付し、退けた尾花氏への批判が相次いだ。

𠮷本陣営は将来を含めたIR誘致に反対し、市民の意見が二分した場合には住民投票を実施する姿勢を打ち出しており、IR問題を争点と位置付けるが、尾花陣営は、4月の県議会での否決により「終わった話」とし、取り合わない。

六十谷水管橋の崩落を受けた市北部への新浄水場建設、中学校給食の全校実施と無償化など両候補には共通する政策もあり、市民が何を重視して両候補の訴えを判断するのか、注目される。

市議補選には届け出順に、維新公認で会社役員の林佑美候補(41)、無所属で主婦の山路恭世候補(37)、無所属でキリスト教牧師の高垣善光候補(59)、自民公認で元国会議員秘書の山本大地候補(31)が出馬。市議会の現在の会派構成では、自民が最大会派の9人、維新は2人を擁している。勢力拡大を目指す両党と無所属陣営がしのぎを削る。

上から届け出順 【名鑑の見方】名前(敬称略)投票日現在の年齢、党派(現新別)=推薦(自は自由民主党、公は公明党、立は立憲民主党、国は国民民主党、丸数字は当選回数)。①主な経歴②最終学歴③住所

尾花市


尾花正啓(69)

無現②=自公立国①元県県土整備部長②東京大工学部卒③東高松

四つのまちづくり推進

2期8年、和歌山市を良くするとの思いで走ってきた。多くの市民が一緒に立ち上がってくれた。まちの中が変わりつつある。見え出した成長を絶対に止めてはいけない。

四つのまちづくりに取り組む。一つ目は「ふるさとで学び働けるまち」。若者が働ける産業振興をしっかりやり、今ある企業への新たな支援制度をもうける。二つ目は「県都として活力にあふれたまち」。まちの良さ、個性をさらに引き出す。三つ目は「子どもたちがいきいきと育つまち」。子ども医療費の無償化を高校卒業まで進め、中学校を全員給食、無償化する。四点目は「誰もが安心して暮らせる優しいまち」。市北部に浄水場を新設、バイパスルートを整備し、水道の安定的な供給をしていく。

私はこれまで約束したことは全て実行してきた。施策を行うための財源を確保し、しっかりとそれを持続していく。

吉本氏


𠮷本昌純(65)

無新①前市議会議長、元市職員②近畿大商経学部卒③吉原

汗をかき、人に投資を

市議として4期15年、市民の皆さんの声を聞き議会へ届けてきたが、IRに関しては市長が市民の意見を聞かず悔しい思いをした。市民の声を市政に反映させる「心の政治」が私のやり方。

市民会館や図書館建設、北汀丁の再開発で、にぎわいが創出できたかどうか疑問。私は人に投資をしたい。保育料、小中学校の給食費、高校までの医療費、三つのゼロを掲げる。私は、かいた汗の分だけ皆さんの課題をしっかりと聞いている。2年前に花山で漏水があったが、教訓が生かされず(昨年10月の)水管橋崩落事故に至った。予算を圧縮してでも紀の川の北側に新たな浄水場を早急につくり、市民の命を守りたい。

市の人口は36万人を切った。働く場をつくるため創業塾をつくり、人材を育て人口を増やして税収に結び付ける。1週間、死に物狂いで皆さんと同じ目線で戦いたい。