精神科特化の訪問看護 和歌山店が開業1年

和歌山店の開業1周年を迎えた有本さん

精神科に特化し、和歌山市、岩出市、海南市を対象に24時間365日体制で訪問看護サービスを提供する「訪問看護ステーション華 和歌山店」が和歌山市雑賀町にオープンしてから、1日で1年を迎える。代表取締役で看護師の有本志穂さん(39)は、自ら患者に寄り添いながら、「心のリハビリをする所」として一人でも多くの人に知ってもらおうと、同ステーションの存在や制度の周知に努めている。

有本さんは和歌山市出身。企業で勤めた後、自身が心臓の手術を受けたことなどをきっかけに、27歳で看護師を志した。30歳で県内の病院に就職し、看護師として働くうち「在宅看護をしたい」と思うようになり、転職。

大阪での転職先が偶然にも精神科に特化した訪問看護サービスを提供しており、対話を大切にしながら利用者に寄り添う職務に「こちらの心が満たされる」とやりがいを感じた。5年後には独立し、本店となる「訪問看護ステーション華」を東大阪市にオープンした。

指定自立支援医療機関であり、自立支援医療受給者証があれば自己負担1割などの少ない費用で利用ができる。服薬管理をはじめ、かかりつけ医の指示に基づく医療処置や日常生活の観察と援助、自立支援医療受給者証の新規申請や更新の業務代行まで幅広く対応しながら、復学や就職など、社会復帰に向けたサポートなども行っている。

和歌山店では、4年間自宅から一歩も出ていなかった23歳の女性利用者と出会い、4カ月目で一緒に散歩へ出掛けられるようになり、7カ月目には作業所に行けるまでになった。

もちろん成功体験ばかりではなく、玄関から部屋に入るまで1年かかったこともあるというが、同じ目線、同じ歩幅で共に歩むことを常に心掛け、「その人にとっての〝安全基地〟になれれば」と、誠心誠意での対話を重ねてきた。

また、精神疾患に向き合う中で、全体の6割ほどの利用者がベースに発達障害があり、その二次障害として鬱(うつ)を発症していることに気付いたという。そこで、二次障害を予防するため、発達障害の児童とその家族を対象にした取り組みもスタート。子どもの特性を伸ばす発想で、生きやすくなるさまざまな方法を身に付けてもらっているという。

有本さんは、精神科にかかることを「恥ずかしい」と思いがちな人が多いことにもふれ、「けがをした時にバンソウコウを貼るように、心の疲れも見て見ぬふりをして後回しにせず、ちょっとでもしんどかったら誰かに助けを求めてほしい」と呼び掛けている。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。