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宿泊客に改善の兆し 21年県内観光動態調査

公開日 2022.09.26

2021年に県内を訪れた観光客総数は2487万9000人で、前年比0・4%の微増だったことが和歌山県の観光客動態調査(確定値)で分かった。史上最高を記録したコロナ禍前(19年)の3543万3000人に比べると29・8%減少し、2年続けて厳しい数字となったが、感染状況が落ち着いた年末には、宿泊客を中心に回復が見られた。

県によると、21年の観光客総数のうち日帰り客は2149万6000人(前年比0・2%減、19年比28・2%減)、宿泊客は338万3000人(同4・3%増、38・5%減)となった。

特に、渡航制限による外国人宿泊客の減少は大きく、過去最高だった19年の50万1844人泊から2年続けて激減し、前年比87・7%減の5524人泊にとどまり、「ビジットジャパンキャンペーン」が始まった03年以降で過去最低となり、初めて1万人泊を割り込んだ。

国・地域別のシェアは、アジアが48・2%、欧米豪が38・1%、その他が13・7%で、アジアでは中国が最も多い22・9%。主要観光地別では、「和歌浦・紀三井寺・和歌山城他」が最も多い2222人泊(40・2%)、「海南生石山周辺」が674人泊(12・2%)で続いた。

県全体の動向は、ゴールデンウイークや7月下旬から9月末にかけて、京阪神エリアの緊急事態宣言発令や県民への外出自粛要請などにより観光需要は低迷したが、6月以降に県が実施した県内旅行支援事業「わかやまリフレッシュプラン2nd・3rd」の効果もあり、年末にかけて観光客数は持ち直す傾向となった。年末年始は、宿泊・日帰り客とも大幅に増加し、特に宿泊客数は19年比92・7%まで回復した。

県内7カ所の主要観光地の入り込み状況をみると、前年比で最も落ち込みが大きかったのは熊野本宮温泉郷で、観光客総数は28・5%減の95万7000人。次いで龍神温泉・護摩壇山の総数が18・8%減の28万8000人だった。

和歌山市は、県のリフレッシュプランに加え、7月から市が実施した「宿泊・日帰りとくとくプラン」により観光需要が増え、総数で4・1%増の465万2000人となった。

その他の主要観光地の総数は、高野山118万3000人(前年比1・9%減)▽白浜温泉・椿温泉245万6000人(同3・5%増)▽串本114万4000人(同0・4%減)▽勝浦温泉・湯川温泉116万3000人(同6・9%増)――だった。