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2024.12.06
宛て名や差出人の記載が不十分などの理由で配達も返還もできなかった郵便物などを供養する「文供養会」が8日、和歌山市の紀三井寺で行われた。
文塚供養奉賛会が主催し、57回目。1967年に「迷い子郵便供養会」として始まり、94年からは大切な郵便物も併せて供養することとし、名称を「文供養会」に改めた。
境内の石碑「文塚」の前で行われた法要には、前田泰道貫主を導師に、郵政関係者ら約90人が出席。僧侶らが般若心経を唱える中、持参した郵便物を火の中に入れ「おたき上げ」をした。
大切な人を失って深い悲しみを抱える人を寄り添い支え、立ち直ることができるようにサポートしている大阪市の田中幹久さん(61)は、会員が気持ちの整理をするため、亡くなった人に宛てて書いた手紙4通を持参。思いが天に届くことを願い、くべた。
事前に寄せられた約2300通の郵便物の灰と一緒に白いつぼに入れ、祭主を務めた同会の島本敏夫会長(73)が文塚に奉納した。
日本郵便㈱が主催する「手紙作文コンクール」に出品し、この日のおたき上げにも参加した和歌山北高校3年の向竹心結さんは、「たくさんの手紙たちに感謝の気持ちをお伝えし、桜の木の下で安らかに眠れることをお祈りします」と供養文を読み上げた。
島本会長は「手紙が人の心をつなぎ、安らげ、癒やすものとして今後も大切な役割を果たすことを切に願っている」と話した。