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県議42人決まる 維新躍進、共産は議席減

公開日 2023.04.10

統一地方選前半戦の和歌山県議選は9日、全14選挙区のうち無投票を除く5区22議席の投開票が行われ、新県議42人の顔ぶれが決まった。当選者は党派別に、自民党27人、公明党3人、立憲民主党1人、日本維新の会3人、共産党1人、国民民主党1人、無所属6人(うち自民推薦1)。物価高騰や人口減少の対策、地域活性化など身近な政策課題が主な争点となり、新県議が今後、県民の願いにどう応えていくのか注目される。

和歌山市は、定数15を現職12人と新人6人が争った激戦の結果、獲得議席の内訳は党派別に、自民5、公明3、維新2、共産1、国民民主1、無所属3となった。

自民は現職5人全員が当選。県議会初の女性議長を務めた森礼子さん(54)が唯一の1万票超えでトップ、井出益弘さん(76)が全県最多の11回目となった。

3人を擁立した維新は、浦平美博さん(51)が初当選し、2議席を獲得。初挑戦の参政党は議席を得られなかった。

共産は、前回次点の新人・松坂美知子さん(66)が今回も及ばなかった。

公明は党の規定で2人が引退したが、現有3議席を上位で確保。国民民主は県連代表の浦口高典さん(68)が県内唯一の議席を守った。

無所属はベテランの現職3人がいずれも議席を維持した。

紀の川市は、自民新人で元同市議の坂本佳隆さん(53)がトップ、次いで同市議会で議長を務めた無所属新人の高田英亮さん(78)、自民現職の山田正彦さん(81)の3人が当選し、共産現職の杉山俊雄さん(72)は議席を失った。

前々回の2015年は自民が3議席を独占し、前回19年は自民2、共産1で議席を分け合った選挙区。選挙戦は12年ぶりだったことや、地元政界で長く活動する高田さんの参戦により、票が読みづらい戦いとなった。

山田さんと坂本さんは自民支持層などを着実に固め、高田さんも知名度を生かして支持を拡大。選挙戦は初となった杉山さんは支持を広げ切れなかった。

皆の声で盛り上げる 森さんトップ当選で涙

トップ当選を果たし涙する森さん㊥

トップ当選となった森礼子さんは午後11時ごろ、当選を確認すると、畑屋敷の選挙事務所で支援者らと喜びを分かち合った。

森さんはこれまでの子育てや介護などの経験を生かし、女性の声を県政に届けてきた。「不安でいっぱいだったが、温かいご支援で頑張れた」と集まった約40人に感謝し、「自民党で女性の1議席を守れたことが責任を果たせた思い」。「コロナのこの3年でいろんなことが止まった。みんなで声を合わせ和歌山を盛り上げていくことがまず最初にやるべきこと。また、健康長寿日本一や防災訓練にも意識を高めていきたい」と決意を語った。

17年の経験と実績糧に 高田さん県政へ決意新た

万歳三唱で喜びを分かち合う高田さん(左から2人目)

貴志川町長山の高田さんの事務所には約60人が集まり、午後9時35分を過ぎ、当選の一報が入ると、大きな拍手と歓喜に包まれた。

高田さんは「温かいお支えあっての当選。感無量」と感謝。孫2人が花束を手渡し、次女の佳奈さんが「誇りに思います。県会議員1年生として紀の川市のために働いてください」と熱いエールを送った。高田さんは「市議会で17年務めてきた経験と実績を糧に県政に打って出たい。市と県のパイプ役として市が発展できるよう、住んで良かったなというまちづくりのため、頑張っていきたい」と県政の一翼を担う決意を新たにした。