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和歌山ニュース 火災から文化財守れ 和歌浦天満宮で訓練

火災から文化財守れ 和歌浦天満宮で訓練

公開日 2024.01.24

26日の「文化財防火デー」を前に、和歌山市消防局は23日、和歌浦西の和歌浦天満宮で総合消防訓練を実施。消防や神社の関係者が、地元の宝を守る決意を新たにした。

【写真】放水する隊員ら

同神社職員による自衛消防隊3人、市中消防署の6隊25人、市消防団第2方面隊第5中隊和歌浦分団1隊4人の計32人が参加。ポンプ車、資機材搬送車など車両8台が集まった。

同神社は本殿や楼門など4棟と、歴史が記された棟札(むなふだ)8枚が国指定文化財となっている。この日の訓練では、拝殿から出火し、本殿と付近の山林へ延焼する事態が生じたという想定で行われた。自衛消防隊が通報、参拝客の避難誘導や宝物の搬送、初期消火を行った。通報を受け到着した消防隊員らが、鳥居から本殿まで65段ある階段をホースやけが人を乗せるバスケット担架を持って上り、避難者の安全確認を行い、本殿と両側の山林に向け5カ所から放水した。

訓練を終え、市消防局の𠮷野楠哉局長は「能登半島地震を受け、普段の取り組みの大切さを痛感する。今回の訓練を生かし、有事の際は関係機関や地域住民との連携を図りながら災害対応していただきたい」と総評。同神社の小板政男名誉宮司は、「日頃から火災には神経を尖らせているが、今回団員の方の使命を全うする姿に安心した。いざというとき、応援を賜りたい」と話した。

放水作業をした中消防署警防第1班特殊消火隊の中村舞衣さん(24)は、「急な階段のため、ホースが抜けないように留意した。林に囲まれており、延焼を食い止めるように気をつけた」と話した。

同神社によると、日頃から本殿付近の見通しを良くし、おたき上げを階段下でするなど、火災には特に気を付けているという。小板政規宮司は「400年以上続く建物や宝物を大切に次に継承していきたい」と話していた。