田辺市のブティックで妖精に出逢う旅【連載★マエオカテツヤの旅々お邪魔します vol.1】

店内を舞う妖精

今回、やってきたのは田辺市にあるブティック「B dash studio（ビー・ダッシュ・スタジオ）」。なんでも、このお店には“妖精”が現れるという。

オーナーの鈴木亜斗夢（あとむ）さん（TOPのイラスト）によれば、数年前から、閉店後誰もいなくなった店内を舞う妖精が監視カメラに映り込むようになったらしい。オーナーの計らいで、体験させていただくことに…。

あかりと空調を消した真っ暗な店内。妖精の気配はないが、目が慣れてくるころ、風もないのに店内のオブジェが揺れ始めたことに気付いたが、僕は妖精を肉眼で捉えることはできなかった。

しかし、オーナーが迎えに来て一言。「出たよ…妖精…！」。ブティックの事務所で監視カメラのモニターを見せていただいた。『よ、妖精だ!』。

僕の座る前を妖精が横切って飛んでいく。不思議なことに妖精たちは店内に飾られてある“南方熊楠”の写真から出たり、入ったりしているのだ。

南方熊楠からのメッセージ？

オーナーいわく「僕は熊楠さんからのメッセージやと思うんよね。人と自然との共生を妖精に託してるんとちゃうやろか…」。僕は頷くばかりであった。

マエオカテツヤ●1967年和歌山市生まれの漫画家。現在、テレビやラジオで活躍しながら、大阪アニメ、声優＆eスポーツ専門学校の特別講師を務める。

※掲載の情報は「LiSM2024年10月号」（和歌山リビング新聞社発行）を元にしています