【和歌山市】「シングルドーナツ」は、ゆっくり時間が流れる隠れ家のようなドーナツ屋さん

懐かしさと温もりに包まれる　
蔵を改装した癒やしの空間

約1年半前に和歌山市に移住してきたオーナーの堀田やす美さん。特に和歌山に強い繋がりがあったわけではないですが、以前から和歌山に魅力を感じていました。家族も賛同し、和歌山に移住したいねと話をしていました。

広くてみんなが集まれるような家が良いと思い、時間をかけてネットで探していた時に、偶然見つけたのがこの家。直感的にここだ！と思い、すぐさま和歌山市へ見学に向かいます。家を見てすっかり気にいりましたが、移住できるタイミングではなく、その時は決めることが出来ませんでした。

それからこの家がずっと気になりながらも、月日は流れ半年後。いよいよ移住が本決まりになります。ダメ元でもう一度問い合わせると、まだ空いているとのこと。嬉しくてすぐさま見学に行くと、その家の持ち主さんが堀田さんのことを覚えて下さっていて「あなたにこの家を守ってほしいと思っていたのよ！」と。ますます、堀田さんは運命的なものを感じたのです。

それからさらに半年後。とんとん拍子に移住にまつわることが進んでいき、2024年の春に無事に和歌山市に引っ越してきました。この家には、江戸時代から代々守られてきた蔵があり、そこで何かできないかなと漠然と想います。新生活も落ち着き、何かしたいという想いを形にしていったのが「SINGLE DONUTS」。家族みんなも大好きなドーナツ屋さんにしました。

閑静な住宅地の中で「地域で暮らす人々の居場所や、新たな出会いの場になってほしい。ドーナツのように、人と人の輪になっていけたらいいな」という願いがこのお店には込められています。

店内は蔵とは思えないほどのオシャレな空間。現代風に蘇った蔵は、独特な空気が漂い、懐かしさと温もりに溢れていました。

自然と会話が生まれる　
ドーナツが紡ぐ物語

オーナーの娘さんがレシピをプロデュースした、愛情たっぷりの手作りドーナツ。同じ分量で作っても、その日の気温や湿度、そして作り手の想いでまったく別物になってしまうそうです。

まさに生きたドーナツ。発酵の状態を赤ちゃんのように見守り、繊細に丁寧に作業することで美味しさが変わってくるので面白いとオーナーは語ります。

オーナー手作りの美味しいドーナツが、お客さん同士、そしてオーナーとの会話のきっかけとなることも。1人で静かな時間を過ごすのはもちろん、偶然で生まれた出逢いや温かい交流も「SINGLE DONUTS」の魅力の一つです。

先日は奈良からサイクリストが偶然通りかかり、来店。ずっと蔵を活用して何かしてみたいと思っていたという人で、すっかり意気投合。なぜかそういう時は、お店が落ち着いていてお客さんとゆったりと話ができるのも、ご縁なんだと思います。

すっかりオーナーのファンになってしまった私。長居していたので、たくさんドーナツをいただいてしまったのですが、これだけはイートインでいただいてほしいですね。オーナーが目の前でチーズを炙ってくれます（混雑時は対応できないこともあります）。

トロトロのチーズはイートインで食べるからこその美味しさ。シンプルな生地に、こだわりの油で揚げたドーナツは、どんなトッピングにもよく合います。ドーナツで使っているチョコレートは、味わい深いクーベルチュールチョコレート。素材にもこだわっているからこそ、シンプルでも美味しいドーナツなのです。

ちなみにオーナーの推しドーナツは、餡と白玉が入ったあん＆生クリーム抹茶サンドだそうです。

オーナーは、お客さん一人一人の過ごし方を見守り、会話を交わしたり、そおっと静かな時間を提供したりと、心地よい距離感を大切にしています。温かいおもてなしが、地域の人々をはじめ、訪れる人々をあたたかな気持ちで包み込みます。ぜひ、オーナーこだわりの煎りたて珈琲をお供に、思い思いの時間をお過ごしください。

テイクアウトもお気軽に！

テイクアウトは事前予約する方が、待ち時間が少なくてオススメ。時間には余裕を持って来店を。駐車場がお店から徒歩3分の場所にあり、インスタグラムに案内があります。

「ドーナツで出逢いが繋がる」と語るオーナー。初めて会ったとは思えないほど懐かしさを感じる人柄と、ほっこりとするドーナツに、心温まるひとときを「SINGLE DONUTS」でお過ごしください。