
2002年に廃線となった有田鉄道の跡地を整備した、歩行者・自転車専用道路「ポッポみち」。近くには絵本の世界が点在し、歩くだけで心がほどけていくような優しい時間が流れる場所です。
そんな散歩道「ポッポみち」の途中に、新しい立ち寄りスポット「Bonjour!(ボンジュ!)」がオープンしました。陽気なフランス人のご主人と優しい笑顔が素敵な日本人の奥様が営むテラスカフェ。クレープの香りに誘われ、散歩途中にふらっと寄り道すると、まるでフランスの街角にいるような気持ちにさせてくれるお店です。
目次
フランスと東京からやってきた2人
有田川町で見つけた暮らし
JR藤並駅から有田川鉄道公園まで続く全長5.2kmの歩行者・自転車専用道路「ポッポみち」。

「ポッポみち」沿いには、有名絵本作家が手がけた壁画などが点在し、訪れる人を物語の世界に招いてくれます。

「Bonjour!(ボンジュ!)」から歩いて5分のところにある、旧御霊駅跡の楽しい壁画。

お店を営むのは、フランス人のポールさんと、東京生まれの光石有希子さんご夫妻。
田舎に引っ越したい、暖かい場所で暮らしたいと、2022年にフランスから有田川町にやって来ました。自然に寄り添った暮らしを求めて移住先を探す中、有田川町移住定住サイトでの支援者さんとの素敵な出会いなどもあり、縁もゆかりもない有田川町への移住を決めたとのこと。

長い間放置され、草木に覆われていた空き家を購入し、大工さんと一緒に自分たちでリノベーションしました。
町の空気や人のあたたかさに触れるなか、「ポッポみち」のあたりには、あまりお店がないことに気付いた2人。 この素敵な散歩道をもっとみなさんに利用してもらいたいと、放置されていた空き家を購入し、リノベーション。
子どもたちも壁のパテ塗りなどを手伝い、家族みんなで創ったカフェスタンドです。散歩途中に気軽に立ち寄れる場所を作りたいという想いが込められています。

散歩途中に、ふらっと立ち寄れるスタンドは、フランス国旗が目印です。

フランスの街角によくあるような、オープンスペースの誰もが気軽にフラっと立ち寄れるカフェスタンド。ペット同伴OK、ベビーカーOKです。
フランス流、絶品クレープを召し上がれ
「Bonjour!(ボンジュ!)」のクレープは、フランスの街角で親しまれているような、平たいクレープ。私たちがイメージするような生クリームなどを挟んだクレープとは違い、モチッとした生地の食感を楽しむクレープです。

「シュガークレープ」(300円)にアイストッピング(+100円)で、400円という良心的なお値段です。
クレープは、レモンシュガー入りと自家製ジャム入りの2タイプ。フランスでは、クレープに砂糖をまぶして食べるのが一般的なのだとか。シュガークレープは、アイシングにレモン果汁を加えたものを挟んだだけのシンプルな1枚。このシンプルさが本当に美味しい!レモンの風味が爽やかで甘過ぎないので何枚でも食べられます(笑)。
ジャム入りクレープは、アイシングの代わりに自家製ジャムを挟んだもので、こちらも甘過ぎず有田みかんの甘酸っぱさが加わって、とっても美味しいですよ。

みかんの木や山を眺めながら青空の下、のんびりと過ごすやさしい時間。
焼きたての甘い香りに誘われて、散歩途中の通りを歩く人や近所の人などがたくさん訪れていました。
ブリオッシュの形は『愛』

ブリオッシュとは、玉子とバターをたっぷり使ったフランス発祥の菓子パン。フランスでは、町のパン屋さんには必ず置いてあると言っていいような、日本で言うならあんぱんやメロンパンのような親しみやすいパンです。
同店のブリオッシュは、植物性バターを使っているので重くなく、ふんわり軽い口あたり。ドーナツ型は、子どもが手で持って食べやすいようにと、有希子さんが考えたオリジナルのブリオッシュです。

お子さんでも持ちやすいようにとドーナツ型に仕上げられていて、見た目にもほっこり。
陽気な店主がつくる空間で思わず笑顔に



フランス人のポールさんは、本当に陽気で楽しい方。季節のジュースを入れるのもサービス精神たっぷりのパフォーマンス♡
「クレープを焼く動画も撮っていいよ♪」と、厨房に潜入して動画を撮影しました。こちらまで幸せになるポールさんが料理する姿をご覧ください。
和歌山県有田川町の「ポッポみちスタンド Bonjour!(ボンジュ!)」のご主人・ポールさんがクレープを焼きます。#ポッポみちスタンドボンジュ pic.twitter.com/XU6vP5xuNv
— ロカルわかやま【公式】 (@rokaru_wakayama) May 28, 2025
和歌山県有田川町の「ポッポみちスタンド Bonjour!(ボンジュ!)」のクレープが完成しました!#ポッポみちスタンドボンジュ pic.twitter.com/L6i87dvjWl
— ロカルわかやま【公式】 (@rokaru_wakayama) May 28, 2025
ポールさんのサービス精神には、頭が下がります。そして、そんな自由なポールさんを支え、地域に溶け込み愛されているのは、有希子さんの素晴らしい人柄だと一瞬で感じました。

終始笑顔でお客様に接する有希子さん。とっても素敵な2人が創る世界観も楽しんでくださいね。
地元の果物でつくる、まちの味
「Bonjour!(ボンジュ!)」のお菓子やジャムは、地元で採れた果物が使用されています。みかんやキウイ、いちごなど、季節ごとの味覚を大切に、手づくりで丁寧に仕上げているのです。

季節のデザート。パウンドケーキ(せとかジャム)。

パウンドケーキは、量り売りなので、食べたい量をオーダーできるのも嬉しいですね。この日のみかんジャムは、「せとか」でした。

この日の「季節のジュース」は、江川農園(有田川町)さんのいちごを使ったいちごミルク(350円)でした。季節のデザートは、量り売り(50g300円〜)。
その時に仕入れられる果物を使い、全て手作りで、ジャムやジュースを提供しています。傷があるだけで加工用になってしまうような美味しい旬の果物を使用。少しでもジャムなどにして廃棄される果物を少なくしたいとの願いでもあります。


「はるみマーマレード」(700円)は、地元の中野農園さんの低農薬のみかんを使用した手作りジャムです。
みかんの町・有田川町らしく種類豊富な自家製みかんジャムも600円からで販売しています。
テイクアウトもOK
おやつパンの「ブリオッシュ」をはじめクレープや季節のデザート、ドリンク類はテイクアウトができます。散歩の途中や仕事帰りに小腹が空いたら気軽に「Bonjour!」と声をかけてみてください。きっと素敵な2人が優しく迎えてくれますよ。

テイクアウト用のクレープのパッケージも可愛いですね。

絵本の町に生まれた「Bonjour!(ボンジュ!)」。あたたかい有田川町の人たちに迎えられ、町の風景の中にすぐに溶け込んだお店と2人。移住の地とした選んだ町で、香ばしいクレープとともに、町の人々にとっても、なくてはならない居場所になっています。
名称 | ポッポみちスタンド Bonjour!(ボンジュ!) |
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所在地 | 和歌山県有田郡有田川町庄370−1 ![]() |
電話番号 | 090-2577-1935 |
営業時間 | 12:00〜17:00 |
定休日 | 水・日曜、祝日 |
駐車場 | あり |
@poppomichi.bonjour |
和歌山の真ん中に住む、身体に良いことが大好きな生粋の和歌山県人。古いモノや古いモノに新しい風を吹き込んだお店が得意分野。ニッチな目線でこだわりの場所や人を紹介します。年間100泉が目標の温泉偏愛者。好きな言葉は、「源泉かけ流し」湯治文化を再生させるのが夢。