春の和菓子・桜餅の季節が到来。桜餅といえば、関東風(長命寺)と関西風(道明寺)があることはご存じ? 小麦粉をクレープ状にしたのが関東風、道明寺粉もしくはもち米のツブツブの生地が関西風。駿河屋善右衛門、松風庵…、和歌山の和菓子店の桜餅を調査。
目次
【総本家駿河屋善右衛門】560余年の老舗和菓子店
これぞ関西風の桜餅
大阪府藤井寺市にある道明寺発祥の「道明寺粉」を使ったもちもちツブツブ生地でこしあんを包んでいます。道明寺粉とは、水に浸して蒸したもち米を干して粗めにひいたもので保存食として用いられていたそう。色味は桜色でまさに王道の関西風。販売は4月上旬まで。
名称 | 総本家駿河屋善右衛門 駿河町本舗 |
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所在地 | 和歌山市駿河町12 |
電話番号 | 073-431-3411 |
営業時間 | 9:00~18:00 |
定休日 | 無休(臨時休業あり) |
web | https://www.souhonke-surugaya.co.jp/ |
@souhonke_surugaya_zen_emon |
【青木松風庵】みるく饅頭月化粧~♪でおなじみ
もち米使用のちょっぴり小ぶりサイズ関西風桜餅
こちらもツブツブ生地の関西風ですが、生地はもち米。あんこはこだわりの100%自家製こしあん。桜の葉の塩味とあんの甘さが絶妙に調和。4月上旬までの販売です。
名称 | 青木松風庵秋葉山店 |
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所在地 | 和歌山県和歌山市秋葉町4-25 |
電話番号 | 073-448-3956 |
営業時間 | 9:00~19:00 |
定休日 | 元日 |
web | https://www.shofuan.co.jp/ |
@aokishofuan |
【紫香庵】常識にとらわれない和洋菓子店
和歌山では実に珍しい関東風桜餅
小麦粉に白玉粉、上南粉、砂糖を加えた、関西風とは異なる食感の餅生地でこしあんを包み2つ折りに。一枚一枚生地を焼くので手間がかかるそうで、毎日の販売個数は限定で今春だけ特別に販売。4月上旬まで。
関西風桜餅はもち米をあまり潰さずふわっと
もち米生地+こしあんの関西風桜餅も販売中。もち米はあまり潰さず、米粒の形を残した感じでふわっと包んでいます。事前に予約すると粒あんでも作ってくれるとのこと。4月上旬ごろまで。
名称 | 紫香庵 |
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所在地 | 和歌山県和歌山市松江北1-1-29 |
電話番号 | 073-488-6658 |
営業時間 | 8:00〜18:00 |
定休日 | 1月1日〜1月3日 |
@shikoan_wagashi |
【鶴屋忠彦】茶席に用いられる上生菓子が得意
京都風??? 2枚葉使いの関西風桜餅
中粒の道明寺生地でこしあんを包んだ2枚葉使いの桜餅。京都の和菓子店では見られますが、和歌山では希少。店主いわく、「うちは上生菓子の需要が多くて、先代が並生菓子の桜餅を上生菓子っぽく見せたかったんだと思う」と。2月末ごろ~4月上旬の販売。
名称 | 鶴屋忠彦 |
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所在地 | 和歌山県和歌山市十番丁101 |
電話番号 | 073-431-0116 |
営業時間 | 8:30~19:00(土・日曜は18:00まで) |
定休日 | 火曜 |
【ふく福団子】1889年創業の粉屋のこだわりが随所に
モチモチの餅生地が大好きな関西人好みの関西風桜餅
モチモチ感が強めのもち米生地で、しっかりとしたツブツブ感もあります。北海道産小豆で作られるこしあんは程よい甘さで、軽やか。季節を問わずほぼ年中販売。
名称 | ふく福団子 |
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所在地 | 和歌山県和歌山市岡山丁3 |
電話番号 | 073-425-5168 |
営業時間 | 9:00〜18:30 |
定休日 | 1/1〜1/7、8/16〜8/20 |
web | https://twitter.com/valkill300?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor |
@hukufutuanzi |
【春栄堂】シューパリは有名だけどもともとは和菓子店
気取らず、素朴な関西風桜餅
ツブツブ感も残しつつ、モチモチ感も感じられる半つぶしにしたもち米生地はやわらかめ。こしあんと生地のバランスが絶妙です。年中需要があるので通年販売。
名称 | 菓匠 春栄堂 |
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所在地 | 和歌山市和歌浦中1-5-13 |
電話番号 | 073-444-0571 |
営業時間 | 8:00~18:00 |
定休日 | 水・日曜 |
駐車場 | あり |
ちなみに、“ひな祭りには桜餅”と思っている人が多いようですが、実は桃の節句と桜餅は関連性がないのだそう。そして、とはる和歌山の和菓子博士にいわせると、関東風の桜餅、長命寺桜餅は八代将軍徳川吉宗の「公園政策」によって生み出されたと。東京の桜の名所の一つ、隅田川の堤防に桜の木を植えさせたのは吉宗。そのほとりにある長命寺の門番・山本新六が、その桜の葉を塩漬けにして、餡を入れた餅を挟んで売り出したのが、桜餅のはじまりとか。残念ながら、なかなか関西で関東風桜餅は食べられませんが、今春は紫香庵が特別に販売。ぜひぜひ、この機会に桜餅の食べ比べを。
※掲載各店の判断により、営業形態や営業時間、メニュー等が変更されている場合があります。
記者・ライター・編集者歴21年。硬派な記事も軟派な原稿も書きこなせるけれど、偏食家のためグルメレポは結構ツライ。ちょっと変わり物なので、独特の視点で表現するとよく言われ、その個性は大事にしつつ、正確な情報を伝えます。ビールが好き、韓国が好き!