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和歌山ニュース 太平洋航海のミキさん 和歌山にアトリエ

太平洋航海のミキさん 和歌山にアトリエ

公開日 2016.02.26

平成9年に和歌浦を出航し、ニュージーランドまでヨットで430日間旅して以来、海をテーマに描く画家のMiki vanRijs(ミキ・ヴァンリッジス)さん(43)が、和歌山市毛見に拠点を移しアトリエを開設。ミキさんを呼び戻したのは和歌浦の美しい風景や人だったという。ミキさんは「ここは私の原点。何より人が温かく、帰るべくして、帰ってきたという感じです。長い夢がかないました」と笑顔。3月3日まで同所で個展を開催している。

ミキさんは名古屋で生まれ、幼い頃に両親のふるさとである同市へ。海が好きだったミキさんは縁あってニュージーランドへ向かう夫妻と知り合い、セーリングヨットで約1万マイルにおよぶ航海に同乗した。

命懸けの過酷な航海を終え、無事到着。海の上で毎日のように描いていたスケッチを基に、雄大な自然からのメッセージをキャンバスに描き、各地で個展を開いてきた。

以後10年間ニュージーランドでアトリエを構え、北海道などで生活。去年の春、同市に住居を移した。約20年前に航海に出るきっかけをくれた人物で、ミキさんが母親のように慕う女性の存在も大きかったという。

アトリエは毛見の浜の宮ビーチに面し、OCEAN’Sと命名。美しい海や水平線に沈む夕焼けが一望できる最高のロケーションで「全てはこの場所から始まり、この海もニュージーランドとつながっている。原点に戻る意味も込めて、もう一度ここからスタートしたい」。

制作に行き詰まった際は、コーヒーカップを手にビーチに出ては海を眺め、力をもらったり、癒やされたりしている。

光に満ちた穏やかな海や赤く染まる夕暮れなど、航海で目にした風景は今も鮮明。「船旅で出会ったさまざまな国の人や文化、人種、表現…。全てをつないでいるのは海でした。これからも周囲への感謝の思いを込めて、海のそばで海に関する絵を描き続けていきたい」と思いを新たにしている。

個展では小品から大作までの油彩画約30点を展示。午前11時から午後8時まで。26日休み。問い合わせはミキさん(℡090・1306・9157)。