

【田辺市】江川ちゃんぽんの「はまちゃん」で和だしのトコロテン? ~マエオカテツヤの和歌山ディープ遺産①~
PickUP記事
和歌山市生まれの漫画家・マエオカテツヤ氏が、和歌山県内で出逢った味わい深い人や忘れられないスポットを、絵と写真と文章で綴っていく連載「旅々お邪魔します」が、今回より「マエオカテツヤの和歌山ディープ遺産」にリニューアル。
第1回は、“江川ちゃんぽん”で有名な田辺市の『はまちゃん』で出されるトコロテンは、和だしで食べるって?というお話です。
田辺のローカルグルメ
「江川ちゃんぽん」

港町の風情がある、田辺市江川(えかわ)地区。こちらには独自の食文化が残っており、中でも「ちゃんぽん」というローカルグルメが有名で、この地区にある数件のお好み焼き屋さんで食べることができます。

「ちゃんぽん」と言っても長崎のそれではなく、中華料理のそれでもありません。江川では、そばとうどんを一緒に焼いたものが「ちゃんぽん」で、濃厚なソースが絡まったそばとうどんの食感が一度に楽しめる、江川ならではのソウルフードなのです。
「和歌山ディープ遺産」の第1回目は、ちゃんぽんの話ではなくもっとディープな話題、江川地区のお店で出される「和だしで食べるトコロテン」を掘り下げましょう。
トコロテンを和だしで食べるって!?

田辺市江川地区では、トコロテンを和だしで食べるという噂を聞きつけて、ちゃんぽんで有名なお好み焼き「はまちゃん」へ…。

お店の入口に「トコロテン」の張り紙が…。
トコロテンといえば黒蜜か三杯酢がポピュラーな食べ方ですが、こちらではキンキンに冷やした和だしに浸かったトコロテンを、塗箸で食べるのが普通なのだとか。
もっと言えばこの辺ではトコロテンを「てん」と呼び、注文の際は「おばちゃん、テン突いてらー」と頼むのだそう。

早速、頼んでみました。ガラスの小鉢に入ったそれはいかにも涼しげで、上にはおろし生姜がのっています。和だしの香りがまたいい。

さて、箸で食べようとしたら、お店にいたお客さんが「そんなもん、一口で飲んだらええんや…噛まんと、飲むんや…ほれ」と一口で飲み干していました。
僕も真似して一気に飲んだところ…。さっぱりとした和だしに、柔らかめのトコロテンがスッと喉に流れ込んでいきます。生姜の香りもアクセントに。 確かにこれまでになかったトコロテンの味わい方でしたわ。
ただ、これは食べ慣れた通の食べ方。もう一杯頼んで、ゆっくり味わうことに。

うん…確かに旨い。わかりやすくいえば「そうめん」に近い味わい。食感は僕らが知るトコロテンより柔らかく短いので、赤ちゃんでも食べられそうです。


トコロテンを2杯食べた後はもちろん、ちゃんぽんも食べて店を出たのでした。
後で聞いたら、江川地区で粉もんを食べるときは、冷やしあめも一緒に…が基本だといいます。また次に行く理由ができましたね。

名称 | お好み焼 はまちゃん |
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所在地 | 和歌山県田辺市江川6-47 ![]() |
電話番号 | 0739-25-5230 |
営業時間 | 11:00~14:00、17:00~20:00 |
定休日 | 月曜 |



※トコロテンの画像は「ちゃぶ台おかわり」(テレビ和歌山)より
株式会社 和歌山リビング新聞社 編集部