2023年8月、ぶらくり丁にある「café&Bar Hood」に間借りして、メキシコ料理のタコスが楽しめるお店「TACOS LA SICK(タコスラシック)」がオープン。店主は音楽活動もしているSumi LA Sick(スミラシック)さん。「自分らしく」を大切に、こだわりをギュギュっと詰め込んだ絶品タコスをぜひ堪能して。Sumi LA Sickさんのお話もとても楽しく、素敵なひと時を過ごせるお店です。
目次
「café&Bar Hood」で間借り営業
ぶらくり丁の築地通りにある「café&Bar Hood」を間借りし、和歌山では珍しいメキシコ料理のタコスが楽しめるお店「TACOS LA SICK(タコスラシック)」がオープンしました。
外観同様、店内もシックで落ち着いた雰囲気。
音楽活動(ジャンルはヒップホップ!)をしながら同店を運営している店主のSumi LA Sick(スミラシック)さんに、お店を開いたきっかけや自慢のタコスへのこだわりなどを伺いました。
自分のアイデンティティを
一番表現できるのがタコス!
――メキシコ料理のタコスは日本人にはあまり馴染みがない印象ですが、どうしてお店のメインメニューがタコスなのですか?
Sumi LA Sick:自分のアイデンティティを一番表現できるのが、タコスだと思ったからです。僕は「なにかを作り出す」ということがとにかく好きで。元々音楽を作っていましたし、コーヒーを自分で焙煎するのも好きだし、このお店を開く前にはお米を作ったりもしていました。
コロナ禍をきっかけに、「どうせならここにないものをやりたい」と考えた時に、海外にいた頃によく食べていたタコスが思い浮かんで。
僕は昔、2年ほど海外生活をしていて、アメリカのサンディエゴにも住んでいたんです。当時、サンディエゴ出身の黒人の友達に連れられて、よくタコスを食べました。
サンディエゴのタコスというのは気軽な食べ物で、僕たちにとっての「ラーメン」に近いですね。バーガーとかホットドッグも食べたのですが、野菜も入っていてヘルシーなタコスが一番好きで。
(ライター注:サンディエゴは元々メキシコ領であったことから、メキシコ文化が色濃く残っています)
あと、タコスってお肉だけじゃなく、野菜もたくさん入っているじゃないですか。農業に携わっていたこともあるので、そういう意味でも自分のアイデンティティを表現できるかなと。
「らしく」というのが僕の原点
――それで同店を開かれたんですね。ところで店名の「TACOS LA SICK」というのは?
Sumi LA Sick:僕はSumi LA Sickというアーティストネームで音楽活動をしていて、Sumiというのは僕の本名からとって。LA Sickというのは自分「らしく」というのと、向こうのスラングで「病的にイケてる」という「SICK」をもじって付けています。「らしく」というのが僕の原点なんですね。
地産地消と新しい文化の融合
タコスは豚しゃぶ、チキン、ステーキ、カルニータス(豚肉と香草を長時間煮込んで作ったメキシコの伝統的なタコスの具材)の4種類。お好みでライムを絞っていただきます。お肉たっぷりでジューシーなのに、野菜が入ることで後味はさっぱり。トマトや玉ねぎなどを重ねるたびに、異なる味わいが楽しめます。
Sumi LA Sick:野菜はできるだけ地元の野菜を使っています。ぶらくり丁内に八百屋さんがあるんですけど、そこは生産者が直接野菜を持ち込んでいるので、スーパーとは全然流通が違うんですね。農業に携わっていたので、地元の野菜かどこどこの野菜かとか、無農薬かそうでないか、などはこだわりとして持っています。
今日はフレッシュな感じが合うと思ったからトマトと玉ねぎを添えたんですけど、サルサソースを提供する時もあります。自分で固定せずに、その日一番合うと思ったものにしています。
お肉もそう。豚しゃぶは、今日はバラ肉を使用しているんですけれど、ロースと使い分けたりしています。ステーキも今日はカルビですが、前はロースとか。カルニータスも腕肉や肩肉を使い分けていて、メニュー自体はそのままですけど素材を変えることで、食感や味わいの違いが出るので、いつも来てくれているお客さんにも飽きられないように工夫しています。
Sumi LA Sick:飲み物にもこだわっていて、海外にいた時によく飲んでいたイタリアの炭酸ジュース「サンペレグリノ」を仕入れています。海外だったらサンドイッチとこれがあって、一緒に食べると相乗効果でさらにおいしくなります。
食材に関しては地産地消なんですけれど、タコスに合わせる飲み物に関しては、逆に地産ではないものを取り入れています。メキシコ文化にプラスして新しいものを作り出したくて。取り入れたものを自分の中で嚙み砕いて、アウトプットしています。
「和歌山、面白くなってるやん!」
そう思ってもらえるように
店内には、Sumi LA Sickさんの同級生が手掛けたアート作品も。
――今後の展望などを聞かせてください。
Sumi LA Sick:和歌山がもっと面白くなるように、まずはここを若い人たちも集まれるような場所にしていけたらなと。海外で生活していたから余計に思うのかもしれませんが、和歌山には和歌山の良さがある。同級生でも半分くらいが和歌山を出ていってしまったけれども、その人たちが帰ってきた時に「和歌山、面白くなってるやん!」って思ってもらえるように。音楽活動もしているので、音楽の力でも変えていきたいですね。
名称 | TACOS LA SICK(タコスラシック) |
---|---|
所在地 | 和歌山県和歌山市雑賀町36(cafe&Bar Hood内) |
営業時間 | 11:00~18:00(OS17:30) ※4月まで土日祝営業 |
定休日 | 火~木曜 |
@tacos_la_sick_ |
和歌山市出身・在住のフリーライター。おいしいものをこよなく愛し、ロカルわかやまではグルメ記事ばかりを担当。生まれ育った和歌山の‟素敵”を、もっと発信していきたいです。多趣味で、カフェ巡り・カメラ・ミニチュアフード作り・読書・映画鑑賞などが好き。